歯周病治療
特に歯周病は全身への影響が大きいことがわかってきています。
歯周病の炎症があると、歯肉が腫れて毛細血管から歯周病菌が侵入し、全身をまわります。
そうすると動脈硬化が起きやすくなり、血管が詰まりやすくなるのです。
脳梗塞、心筋梗塞、狭心症のリスクが高くなるのがそのためです。
歯周病菌がすい臓に入ると、インシュリンの出る量のコントロールが悪くなり、糖尿病が改善しづらくなります。
脳に入ればアルツハイマー型認知症が誘発されたり、症状が悪化したりしますし、
誤嚥性肺炎の原因のもなります。
妊婦さんは、ホルモンのバランスが変わり、妊娠性の歯肉炎になりやすいのですが、これもコントロールしないと、早産のリスクが上がるのです。
歯周病は全身の健康に密接な関係があるのです。
当医院では、歯周病の原因である歯石の除去や、プラークコントロール、咬み合わせの調整などの一般的な治療のほかに、
その方の免疫力や体質に合わせて、補助的な清掃用具(フロス・歯間ブラシ・ワンタフトブラシ・マウスウォッシュ・etc)などをおすすめすることもあります。
また、就寝中のくいしばりや歯ぎしりのおありの方には、マウスピースをお使いいただくこともあります。
口腔乾燥も歯周病を悪化させますので、唾液腺のマッサージや、口腔内保湿用ジェルを使用していただり、生活習慣についてのアドバイスも、させていただきます。
なにより、歯を残すためには、歯周病を進行させないようにしなくてはなりません。 そのためにも定期的なメンテナンスで、病状のチェックや予防が重要です。
歯周病とは
歯周病とは、歯周組織が歯垢(プラーク)に含まれている歯周病菌に感染し、歯茎が腫れたり、出血したり、口臭が強くなったり、最終的には歯周組織が破壊されて歯が抜けてしまう病気です。
歯肉炎、歯周炎とも呼ばれています。日本の成人の約80%が歯周病にかかっていると言われています。
歯周病は心筋梗塞、脳梗塞、糖尿病との関連性がありますので、口の中の病気だけではないのです。
歯垢(プラーク)は時間が経つと唾液中のカルシウムと結合し、歯磨きでは取り除くことができない歯石になります。
歯みがきでは除去できないため、特殊な器具、機器で丁寧に取り除きます。
歯周病治療の流れ
1. 口腔内の検査 カウンセリング
歯周ポケット診査、レントゲン撮影、口腔内写真撮影を行います。
歯周病の原因は1人1人異なりますので、治療していく前に検査を行い、1人1人に適した治療を行っていきます。
2. プラークの除去
歯周病の治療の基本は口腔内に存在する歯周病菌の除去が目的です。
簡単に落とせる歯石やプラークを落としていき、歯科衛生士による歯みがき指導や歯間ブラシ、デンタルフロスなどで改善をはかります。その後日、検査にて改善を確認します。
簡単に落とせる歯石やプラークを落していき、検査にて改善を確認します。軽度の歯周炎の方はここまでで治療が完了します。(平均週1回 × 4日)
3. 外科的処置
中等度~重度の歯周炎の場合、歯石が深くまであるため取りきれません。
従って部分的に麻酔をし、歯石を除去いたします。
さらに重度のケースでは麻酔をしてから歯肉の切開をし、歯と歯肉の間に溜まっていた歯石や歯垢(プラーク)除去していく、歯周外科処置を行うケースもあります。
4. メンテナンス
口の中の細菌を完全になくすことは難しく、歯周病は再発し易いので、治療完了後も定期的なメンテナンスをしていく事で再発しにくい状態を保ちやすくします。
再発防止には患者さん自身による歯垢(プラーク)のコントロールだけでなく、定期的に歯科医師や歯科衛生士による検診や治療を受け、歯をメンテナンスすることが重要です。